5月17日(月)、文京区議会では私も所属している子ども・子育て支援調査特別委員会が開かれました。
区から、
⒉ 子育て支援施設における新型コロナウイルス感染症対応等について
⒊ 令和2年度新型コロナウイルス感染症対策における子育て世帯に対する臨時特別給付金の実施結果について
⒋ 低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金(ひとり親世帯分)について
⒌ 令和3年度低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金(その他の子育て世帯分)について
の報告がありました。
(↑各タイトルをクリックするとその資料をご覧いただけます。)
長引くコロナ禍で、子どもやその家庭、保育士などへの支援は十分に行われているか、より支援を行き渡らせるためにできることは何か、という視点で議論を深めさせていただきました。
議論した中でも特に皆さまに知っていただきたい内容を、以下4つ抜粋してみました。
「子どもの貧困対策にかかる実態調査」は、今回区で初めて実施される「子どもの貧困」をテーマにした実態調査です。
世帯所得が全国で一番高い東京都の中でも、文京区の世帯の平均所得は高水準にあります。
文京区立の小中学校は東京都の学力調査でも平均よりも高い水準である上、区立小学校でもほとんどの6年生が中学受験をしている状況。
その上、放課後は多くの子どもが塾や複数の習い事に通っているという状況を、私も子どもたちから聞いています。
そのような、世帯所得や学力の水準が高い環境の中で、「貧困」の状態にある子どもの数自体は、比較的少ないかもしれません。
しかし一方で、「数が少ないからこそ」抱えている困難や、傾向があるはずです。
例えば、数が少ないからこそ、引け目を感じてしまい、まわりに相談できず、一人で抱え込んでしまい孤立してしまったり、
数が少ないからこそ、まわりの「標準」に合わせるために、子どもの教育にかかる支出が増え、それ以外の部分で親が我慢をして、負担が増している、などが想像できるわけですが、
そのような文京区特有の実態が分かり、それに対してどのような支援が必要なのか考えるための調査にするために、実施方法を工夫していくよう要望をしました。
また、
・まだ文京区にデータがなく、全国的には「貧困の連鎖」が起きやすいとされている外国にルーツを持つ子ども
・昨年の「子育て世帯に対する臨時給付金」の支給をきっかけに区とつながった「家計急変家庭」
なども調査対象とし、より詳細な実態が把握できるようにという要望もさせていただきました。
「令和3年度保育園等入園状況」の報告において、今年度の文京区の待機児童が1名であることがわかりました。
待機児童問題が最も深刻だった平成29年は285名だったので、この3年あまりで行ってきた定員拡充の成果が出たと捉えられます。
しかし一方で、この数字はコロナ禍での一時的な数字の可能性もあり、油断はできません。
例年1歳児の待機児童が最も多いのですが、今回も1名の待機児童は1歳児。
加えて、今年度はコロナの影響で「0歳からの入園は控えている」という声が非常に多いことと、コロナ関係なく、「育児休業を取って1歳から保育園に入りたい」という声も一定数あることから、来年度、1歳児の応募が増える可能性があります。
したがって、今年度の待機児童数は一時的なものである可能性があるということを念頭に置き、特に1歳児のニーズはきめ細かく把握して拡充に努めてほしいと要望しました。
また、定員に余裕が出てきた園については、これまでやむを得ず自宅から遠い園に通っていたり、兄弟で別々の園に通わざるを得なくなっていたりしていた児童の転園をスムーズに行うことを重ねて要望した他、
コロナ禍での保育士の負担やストレスを軽減し、安心して働き続けられる環境の提供を求めました。
私は議席をいただいてからこれまでの2年間、特に障害のある子どもの放課後の居場所である放課後等デイサービスが不足している現状を訴え、早急な整備を強く要望してきました。
福祉部が行った実態調査においても障害児数に比べ施設が不足していることがわかり、今年度から整備促進のため、民間事業者が区内に事業所を整備する際に整備費を補助する制度が新設されました。
また、ともに訴えてきた移動支援の拡充のための施策として、担い手の研修回数増加や、区独自の報酬の上乗せなどを新たに行うようになりました。
これらは大きな前進で、とても嬉しく思っているのですが、
一方で、障害のある子どもの福祉を所管している福祉部の障害福祉課と、学校や育成室などを所管している教育推進部との連携が、いまひとつ不十分であると感じています。
上記の補助制度を新設して「あとは民間事業者頼み」という姿勢にならないよう、地域のニーズを的確に把握し区が主導して整備を進めることを引き続き要望していますが、
そのためにも、縦割りにならず福祉部と教育推進部が連携して、地域のニーズを把握し、例えば教育推進部が進めている都型学童クラブなどの新設の際には事業者に対して働きかけを行うなど、多角的に方法を考え定員拡充を行うよう、要望しました。
今後も区の動きを注視し、学習支援や放課後の居場所が必要な子どもたちの声を届けてまいります。
区立の育成室は、利用できるのが18:30までと決まっています。
この時間設定については、これまでも「女性のキャリア応援のため延長してほしい」派の方と、「育成室の閉室時間を理由に勤め先から帰宅できるため延長はしないでほしい」派の方の両方がいらっしゃり、度々議論されてきました。
区としては、「小学校低学年の児童の生活リズムへの影響などの観点から、現時点では、区立育成室の開室の時間延長は考えていない」という考えです。
区の考え方は一定理解できますし、延長反対派の方のご意見も納得できます。
しかし、例えば中には、ひとり親の方で、どうしても就業時間を調整できず、「あと少し育成室が長くやっていれば入れるのに」という状況の中で、やむを得ず都型学童クラブを選択している方もいらっしゃいます。
都型学童クラブは区立育成室よりも保育料が高額となるため、親御さんの負担は重くなります。
そのような状況の中で、「低所得かつ、保育料が高額な都型学童クラブにしか入ることができない」というご家庭に対し、都型学童クラブの保育料を補助する制度の新設を求めました。
色々な立場の皆さまがいらっしゃることを区にもしっかりと理解していただき、納得できる制度の在り方を、皆さまのお声を伺いながら一緒に考えていきたいと思います。
皆さまも、日常でお困りのことや相談先のわからないご相談ごとなどがございましたら、
宮野ゆみこ info@miyayumi.com
まで、お気軽にご連絡ください。