皆さまから与えていただいた任期も折り返し地点です。
6月に後期の所属委員会が決まりましたが、私は自ら希望し、後期も引き続き厚生委員会と子ども子育て支援調査特別委員会に所属します。
7月26日は、通年議会として4つの常任委員会が開かれ、私の所属する厚生委員会では、区から以下の2つの報告がありました。
⒈ 高齢者肺炎球菌予防接種事業の費用助成について
⒉ 令和3年度新型コロナウイルスワクチンの接種状況について
項目ごとに内容と宮野ゆみこが区へ要望したことなどをご報告いたします。
肺炎球菌ワクチンの接種費用の自己負担がこれまで4,000円だったのを、東京都の補助金を活用し1,500円に減額するというものです。
肺炎球菌といえば、肺炎や髄膜炎など、いろいろな病気・感染症を引き起こす細菌です。
特に肺炎は、令和2年度の死因としても5.7%と高い割合を占めており、そのうち1番多くみられる原因が肺炎球菌とのこと。
このような病気を予防するためにワクチンを接種しやすい環境は必要ですので、自己負担額の減額はありがたいです。
●5年ごとの継続的な接種・費用助成への課題
定期接種と任意接種ともにニューモバックスNPというワクチンを使用しており、国の方針で費用助成は生涯で1回のみとされています。
このニューモバックスNPは、たくさん種類のある肺炎球菌のうち特に感染する機会の多い23種類の型に対して免疫をつけることができるのですが、一方で免疫が続くのは5年程度で、継続して予防するためには5年毎に継続的に接種することを推奨する医師も多いです。
費用助成は生涯で1回のみなので、継続して接種しようとすると、2回目以降は全額(医療機関により異なりますが、だいたい8,000円程度)自己負担となります。
現在区は国の方針に従い、1回のみ費用助成を行っていますが、5年ごとの接種の必要性については国でも議論がされているようです。
今後、より効果的に予防できる方法とその助成についてさらに議論が進むことを願っています。
●コロナワクチンと同時期の接種についての注意事項を区民へわかりやすく発信すること
費用助成は今年の10月から開始しますが、今年は新型コロナのワクチン接種も行われています。
2種類のワクチンを近い時期に接種しても身体や効果に影響がないのか、心配な方が多いのではないでしょうか。
調べてみたところ、やはり注意事項があり、
・コロナワクチン1回目と2回目の間には、肺炎球菌ワクチンを受けてはいけない
・コロナワクチンと肺炎球菌ワクチンの間には2週間の間隔をあけるようにすること
などを、多くの自治体がホームページで図を用いたりしてわかりやすく説明していました。
費用助成の概要をこれから区報やホームページに掲載する予定ですが、制度の案内だけでなく、コロナワクチンと肺炎球菌ワクチンの同時期の接種における注意事項について、同時にお知らせし注意喚起することを強く要望しました。
文京区の最新の接種者数・接種率はこちらからご覧ください。
現在、東京都では緊急事態宣言が出されている中でも、感染拡大のペースが上がり、第5波に入っています。
第5波はデルタ株の影響が大きいと言われていますが、ファイザー社製のワクチンは、このデルタ株にも効果があるという研究結果が最近になって出ました。
デルタ株によって今、病床の多くを占めているのは、50代以下の世代とのことですが、これらの世代はまだワクチンを打てていない世代でもあります。
国からのワクチン供給量制限により現在ワクチンの予約がストップしてしまっていますが、これらの世代へのワクチン接種を一刻も早く再開していただきたいと強く訴えました。
また、集団接種、個別接種ともにこの間区民の皆さまからいただいたお声をもとに、以下のことについて強く要望しました。
【集団接種について】
●予約サイトの改善を
区が主導しているワクチン接種で現在使用しているのはファイザー社製のみですが、ワクチン予約サイトで日付検索をする時に接種ワクチンの選択肢で「アストラゼネカ」「モデルナ」も選択できるシステムになってしまっています。
この2種類のワクチンも区で接種できるのかと勘違いする方が出てしまうでしょうし、特にアストラゼネカ社製のワクチンは、現在国内で使用されていませんが、文京区はそのアストラゼネカ社製を接種しているのかと勘違いする方がいては困ります。
紛らわしいので、「現在文京区で使用しているのはファイザー社製のみです」と説明文を入れて選択システムは削除するなど、わかりやすいように変更することを求めました。
●Web・SNSでの積極的な情報発信を
これまでは、インターネットの利用が困難な高齢者に対して、区設掲示板でお知らせしたり、地域活動センターで予約代行を行ったりという方法をとってきましたが、今後は、スマートフォンを使う世代が接種対象となるため、Webを通した情報発信がより必要となります。
今般の接種スケジュールの前倒しであったり、日ごとの予約の残数であったり、ワクチン接種には早急な周知が必要とされることが多いです。
実際に、コールセンターにも「前倒しを知らなかった」「次はいつ再開?」という問い合わせが非常に多かったようです。
ホームページを更新するだけでは、それらが伝わりきっていません。
Twitterやfacebookでしたら、自分たちが普段使っている中でタイムラインに流れてきたり、LINEでしたら、通知があって配信に気づきやすいです。
SNSでもっと積極的に詳しい情報を流すことを要望しました。
また、最近はワクチンの残数が限られていたことがあり意識的に情報を少なくしたのかもしれないですが、逆に「こういう理由で残数はこれだけです」「再開の時期はいつです」という情報を得られた方が、区民は見通しがわかりますし、区に対して不信感を抱きにくくなるのではと思います。
できる限り積極的にWebでの情報発信をしていほしいと思います。
一方で、ワクチン接種が進むことで、同調圧力が強くなることが予想されます。
接種を望まない方の権利を擁護する情報発信も欠かさず、同時並行で行ってほしいと要望しました。
●2回目未接種の方の状況把握を
「1回目は接種したけど2回目の予約をしていない」という方が一定数いらっしゃるようです。
その方々には「早めに予約して下さい」との予約勧奨はがきを送付したとのことですが、勧奨だけでなく、なぜ2回目を予約していないのか、あるいはできていないのかをしっかり聞き取り、対応すべきです。
この中には、1回目に副反応が出たりして2回目の接種をためらう方もいらっしゃるかと思います。
厚労省のホームページには、医療機関から報告された情報をもとにアナフィラキシーの出た事例や、因果関係がはっきりせずとも残念ながら亡くなってしまった事例が載っていますが、その中に文京区民がいるかどうか、その方がどこでどのように接種しその後どのように対応したのか、区が把握することも必要です。
一方で、このように「2回目の接種が難しい方」だけでなく、認知症などで2回目の予約日時を忘れてしまっている方など、「2回目接種を希望しているけどできていない方」もいらっしゃるはずです。
2回目接種に至っていない詳細な状況を聞き取って、接種を希望している方にはしっかり区がフォローをしてほしいと強く求めました。
【個別接種について】
●2回目の予約について
集団接種と同じく、2回目の予約について課題があります。
実際に個別接種を受けた方のお話を聞いていると、医療機関によって、2回目の予約日時を紙で渡すところと、口頭で伝えているところがあるようです。
口頭でやはり間違えなどが起きやすいため、予診票と同じように、区が2回目の予約票のテンプレートを作るなど、医療機関をサポートすべきだと訴えました。
●訪問接種について
以前から強く要望していた訪問接種について、対応できる医療機関をホームページで公開されている医療機関一覧から確認できるようになったことは大変良かったと思います。
普段在宅で医療や介護を受けている方は誰かしらサービス提供者と繋がっているとはいえ、「各々で対応して」という態度ではなく、他の皆さまと同じように接種の方法が見える化されることによって「取り残されている感」がなくなります。
5月28日の仮予約受付時には14人しか希望を把握できていませんでしたが、それから2カ月経ち、いろいろな情報が出てくる中で、接種希望者が増えていることも考えられます。
この14人の方のみでなく、高齢者あんしん相談センターとも連携して、在宅の方も接種ができるということを広く周知してほしいこと、また、心配な方にはこちらから状況を聞き取ってフォローすることを要望しました。