文京区では現在、小石川傳通院のお隣の土地に、区立児童相談所を建設しています。
関連資料:(仮称)文京区児童相談所運営計画(素案)
2025年度の開設を目指して、相談支援体制の検討や人材確保・育成、施設整備を進めているのですが、そんな中、2021年に先行して開設した港区児童相談所を視察する機会に恵まれました。
感染拡大状況により2度延期になったのですが、時機を見てなんとか受け入れてくださった職員の皆さまに感謝申し上げます。
港区児童相談所は開設前、一部の近隣住民から建設に反対する声が上がったことがテレビなどでも報道されていましたが、近隣住民の理解を得るために職員の方々が様々な努力をし、施設ができた現在は特に問題はなく、近隣住民から防災用品や衣類の寄付があるなど、良好な関係が築けているようです。
ハード面においては、特に、機能的な事務室に感心しました。
児童相談所と子ども家庭支援センター、一時保護所の総勢100名を超える職員が一つの空間で職務にあたり、きめ細かな情報共有や打ち合わせにより児童の支援が可能な仕様となっていました。
文京区では、児童相談所と子ども家庭支援センターが別々の場所に設置される計画です。
ICTなどの活用により、双方の連携体制を確実なものにする必要があると強く認識しました。
また、ソフト面においては、PCIT(親子相互交流療法)というプログラムを活用し、保護者の指導へ特に力を入れている点が特に印象に残りました。
港区では、文京区と同じく、教育虐待が多い傾向にあるそうです。
被虐待児童だけでなくその保護者も支援の対象とし、親子の再統合のために用意された指導プログラムは、参考にすべき点が多くありました。
また、乳児院に委託し、里親についての定期的な説明会を行っている点など、港区の里親募集に関する工夫やノウハウも見習うべきである強くと感じました。
この視察での知見をもとに、引き続き、文京区児童相談所開設に向け丁寧に議論を重ねてまいります。